前回、AIツールの「Gemini」と共にわずか2週間で自社専用アプリを形にした話をしました。日報や明日の予定がスマホで入力できるようになり、まずは第一歩を踏み出したところからの続きです。
※第1話をまだ読んでいない方は、ぜひこちらから最初にお読みください。
👉 第1話:創業76年の電気工事会社社長が、AIを使って「会社のインフラ」を総入れ替えするまでの1ヶ月の記録
アプリはただ作れば終わりではありません。
実際に従業員たちに現場で使ってみて不具合を修正し、デバッグを重ねていく。ここまでは順調なステップに見えました。
現場から噴出するリアルな不具合と、デバッグの日々
しかし、本当の挑戦はここからでした。
実際に現場の従業員たちに使ってもらうと、「社長、ここが押しにくいです」「この項目、スマホからだと入力が面倒です」といった、生々しい不具合やリクエストがどんどん上がってきたのです。
彼らが毎日現場で使うインフラだからこそ、現場の目線で違和感がある部分はすべてクリアにしたい。そう思った私は、上がってきた声をその都度アプリに反映させては「直したからもう一度触ってみて!」と現場に戻す、そんなキャッチボールのような修正を何度も何度も繰り返しました。
こうしてアップデートを重ね、アプリはバージョン1.0から、気づけば「バージョン2.1」へと進化を遂げていました。
さらに、こうして綺麗に溜まるようになった「日報」と「明日の予定」のデータを軸にして、人工(にんく:現場の作業工数)の集計から請求業務までを一気通貫で繋げる「請求アプリ」の作成にも踏み切りました。
しかし、ここで次の問題に直面することになります。
突き当たった、AppSheet「ノーコードの限界」
AppSheetは, プログラミングなし(ノーコード)でアプリが作れる素晴らしいツールです。しかし、だからこその「ツールの限界」というか、特有の面倒くささがありました。
それは、「あっちを直せば、こっちが動かなくなる」という現象です。
AppSheetでは、画面を一つ修正すると、裏側で別の仕様とバッティングして自動的に変な動作をしてしまったり、細かい動作を「こうしたい」と思っても自由度が低く、言うことを聞いてくれないのです。
「プログラミングをしない(ノーコード)」で済むということは、裏を返せば「ツールの決めたルールの中でしか動かせない」ということでもあります。
裏側の辻脄(つじつま)を合わせるための設定画面との格闘は、プログラムを書くこと以上に面倒で、複雑なものになっていきました。
「……これなら、もうAppSheetの枠を飛び出して、HTMLとJavaScriptで独自のWebアプリを書いてしまった方が、思い通りのものが作れるんじゃないか?」
そう気づいた瞬間でした。
Geminiと共に、独自のWebアプリ開発へ
プログラミングをしたことがない人間が、独自のWebアプリを作る。普通なら「何年勉強すればいいんだ」という話ですが、私には「Gemini」というAIがいます。
私は、AIにこう問いかけました。
「AppSheetをやめて、HTMLとGAS(Google Apps Script)で一からWebアプリを作りたい。どうすればいい?」
AIは即座に、わかりやすいロードマップと設計図を提示してくれました。
そこからの開発スピードは、まさに驚異的でした。画面のデザインも, 裏側の処理も, データベースの連携も、すべてAIがアシストしてくれます。
私は、AIから出力されたコードを組み合わせ、不具合があれば「ここがおかしいから直して」と修正を加えることで、簡単にアプリが作れてしまうのです。
この「AI×ウェブアプリ」の手法に変えてから、我が社のシステムは爆発的に増えていきました。
お見せした写真の通り、案件管理や請求アプリはもちろんのこと、日々の作業集計アプリ、さらには現場の安全を守る「作業車点検記録システム」や、万が一のための「緊急安否報告」まで、必要な仕組みが次々と形になりました。
念願だった、直感的な「工程・配置管理アプリ」の実現
中でも一番感動したのが、「工程・配置管理アプリ」です。
電気工事の会社にとって、誰がどこの現場に行くかという人員配置(手配)は、毎日の大仕事です。これまではずっと、エクセルを使って動かしていました。
これをウェブアプリ化したことで、私がずっとやりたかった「画面上で名前をドラッグ&ドロップして、直感的に人員配置を動かす仕組み」を、自分の手で実現することができたのです。
今までは外注するしかなかった、もしくは既製品を使うしかなかったものが、AIを使うことでこれだけのスピードで内製できてしまうなんて、本当にすごい時代になったなと心の底から思いました。
従業員たちの声を反映しながらAppSheetを限界まで使い倒し、そこから飛び出して独自のウェブアプリへと移行したことで、私たちのDXは完全に一段上のステージへと上がりました。
しかし、私のモノづくりへの探究心は、これだけでは終わりません。
ウェブアプリの便利さに味をしめた私は、さらに快適で, さらに本格的なデータ処理を目指して、次なる「領域」へと足を踏み入れる決断をします。
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▶︎ 代表コラム第3話:近日公開予定
「次なる領域」へのさらなる挑戦、電気工事会社HITECの進化はまだまだ続きます。近日公開いたしますので、どうぞお楽しみに!